
足が不自由なせいで、すべてを忘れることがないニワトリが存在した。
彼はいつしか言葉を覚え、誰かの役に立てたら良いのにと考えるようになる。
そして数年後、彼は大切なものと引き替えに、一つの偉業を成し遂げるのだった――
足が不自由なニワトリが目指した道は…
3歩歩かないから忘れないニワトリ pic.twitter.com/2tiDDst5nK
— 皆本形介 (@mnmtksk) 2017年11月20日
ニワトリ達の間でまことしやかに囁かれている「ニワトリは3歩歩けば忘れる」という説。
しかしこの話に登場しているニワトリは生まれつき足が不自由で、歩けない。
だからすべてを忘れることがないと、エアコンの修理にやってきた男性に告白。
ただし嫌なことばかりでなく、こうして男性と話せるまで知識もついた。
それを聞き、「きっと大スターになれる」と励ます男性。
ところが外の世界に恐れを感じ、出たくないと否定するニワトリ。
「自分はチキン野郎だから!」と自虐混じりのギャグを飛ばしてお茶を濁す。
直ったエアコンを見たニワトリが「すごい」と感心。
「僕も誰かの役に立てたら良いだろうなあ…」
何か決意の表れのような表情にも見える。
すると、男性が「外にはきっと、あなたを必要としている人がいる」と言い残し、家を出た。
(何も忘れることができないって、どういう気分なんだろう?)と心配しながら…
そして数年後、男性のもとに小包が届いた。
送り主はあのニワトリ。何と彼は、ニワトリ専用の歩行補助装置を作っていた!
足が不自由なニワトリが、これまで得た知識を活かして生み出した努力の結晶。
しかしこの義足を開発したということは、自分も履いて試したということでもある…
恐らく何もかも忘れてしまう前に、この小包を男性へ送る決心をしたのだろう。
彼の場合記憶がすべて消えてしまったのではなく、次のステップを踏むきっかけになったのだと思いたい。
最後の写真に収められた、立派なニワトリの姿に心から感動した。
「お話も絵も漫画もとても素敵」反応リプ一覧
義足をつけたニワトリさんはもうこの青年のことを覚えてないんだろなとか「義足付けて歩けるようになったら全部忘れるから、、」って思って青年にどんな気持ちで小包送ったのかなとか思うと切ないけど暖かい素敵な話です、
— 🍙夢季/ゆき🍙 (@snow__1102) 2017年11月20日
タイトルよりこのニワトリも歩けば忘れると考えると、お兄さんのことを忘れずにかつ海外に渡る方法……ニワ「トリ」……
まさか、彼は羽ばたいたのか。
— ぱんこっこ (@pakkonPanKo) 2017年11月21日
お話も絵も漫画もとても素敵でした。
— バナナむし (@takibi_cicada) 2017年11月21日
ニワトリは全てを忘れてしまったけれど、
その偉業を人々は忘れない。
お兄さんに送ったメモは、「僕は僕を忘れてしまうから、あなたに僕を覚えていてほしい」という願いだったのかも知れない。
うう…😭— かべ (@shirakabeh) 2017年11月21日
こういうお話凄く好き
— 琥撤 (@RaizecsToAsobou) 2017年11月20日
もしかしたら忘れてしまったこともあるかもしれない。
だけど、電気屋さんとの間で築き上げた「絆」と交わした「会話」はしっかり覚えていた………— 長門(ながと)の男 (@09nagadan28) 2017年11月21日
意外な展開に驚きました。面白かったです!
— ともち (@tsumut) 2017年11月20日
義足をつけて歩いてしまったことで、今はもうただのニワトリに戻ってしまったかもしれない。
それでも彼の在りし日の姿は、男性や、この話の読者を含む多くの人達の中でまだ生きている。
短い展開の中に切なさと感動を凝縮した、素晴らしい作品だった。